FIREってなに?代表的な4つのFIREスタイルについて解説!
FIREとはなんなのか。言葉としては聞いたことがあるけど詳しくはよく分からない。そんな方に向けて、FIREの本質的な考え方、代表的な4つのFIREスタイルについて解説します。
FIREってなに?
まずFIREというのは Financial Independence, Retire Earlyの単語の頭文字をとった略であり、直訳すると「経済的自立と早期リタイア」の意味となります。
FIREの起源は、1992年にアメリカで出版された『Your Money or Your Life』(邦題:お金か人生か)という書籍だとされています。
FIREってどんな考え方?
FIREについて「資産をためて生活費を資産から得られる利益でまかない、働かずにダラダラ過ごすこと」といわれることもありますが、本質的な考え方とは異なります。
本質的な考え方は「人生の主導権を取り戻し、時間の自由を得ること」です。
生活費を稼ぐために日々仕事をしなければいけないという、労働というものに縛られる状態から抜け出し、自分の趣味や家族との時間など、「本当に自分の時間を使いたいことに注力できる状態」になることがFIREの本質です。
次に、FIREの種類とそれぞれがんどのような考え方なのか解説します。
FIREっていくらためればいいの?
FIREのスタイル(後述)によって目標額は異なりますが基本的に以下の計算式で算出します。
なぜ年間支出の25倍かというと、「年間支出の25倍の資産を築き、それを年利4%で運用できれば、理論上は元本を減らさずに生活できる」というアメリカ発祥のルールに基づいています。
FIREスタイルってどういうのがあるの?
FIREのスタイルについては主に4つのスタイルに分類されます。
それぞれのFIREスタイルでは、目標とする生活水準や、リタイア後の労働の有無などが異なっています。
- ファットFIRE (Fat FIRE)
- リーンFIRE (Lean FIRE)
- サイドFIRE (Side FIRE) 別名:バリスタFIRE
- コーストFIRE (Coast FIRE)
【労働なし × ゆとりある生活】ファットFIRE
ファットFIREは、資産の運用益のみで、平均水準以上の豊かな暮らしを送るスタイルです。
・リタイア後の労働:なし。生活のための労働から完全に開放される。
・生活水準:高い。リタイア後も旅行に行ったり、趣味にお金を使ったりと、リタイア前と生活の質を一切落とさない。
ファットFIREが、誰もが理想とする完全な労働からのリタイアですが、ファットFIREをするためには莫大な資産(数億円規模)が必要となるため、到達するのが非常に難しいスタイルです。
【労働なし × 最小限の生活】リーンFIRE
リーンFIREは、ファットFIREと同様資産の運用益のみで生活を目標とするスタイルですが、徹底的な節約を行って生活費を極小化するスタイルです。
・リタイア後の労働:なし。
・生活水準:最小限(ミニマリズム)。生活コストを極限まで下げることで、ファットFIREよりも少ない元本でのFIREを実現する。
リタイア後の生活水準を下げる分、資産目標額がファットFIREよりも低くなるため早期達成が可能ですが、リタイア後も厳格な支出管理が求められます。お金をかけない生活そのものを楽しめる人に向いているスタイルです。
【労働あり × 柔軟な生活】サイドFIRE
サイドFIREは基礎的な生活費を運用益でカバーしつつ、足りない分や娯楽費は「ゆるい労働」や「事業」で補うスタイルです。
・リタイア後の労働:あり。ただし、企業に縛られるフルタイム労働ではなく、個人での副業でで独立した収入を得たり、週に数日だけアルバイトをしたりと、働く時間や内容を自分でコントロールする。
・生活水準:標準的〜柔軟。労働収入がある分、リーンFIREほど切り詰める必要がなく、時間的な豊かさと適度なゆとりを両立できる。
ファットFIREやリーンFIREとは異なり、完全に労働を無くすのではなく、自分のペースで収入を得ながら生活できるため、現在最も現実的で人気のあるスタイルです。
【労働あり × 現在の生活を維持】コーストFIRE
コーストFIREは老後に必要な資産(例えば65歳時点での目標額)を複利の力を利用して早期に準備し終えた状態です。
・リタイア後の労働:あり。リタイア前と変わらずフルタイム労働を継続することが多い
・生活水準:現在の生活水準を維持。
コーストFIREは老後に必要な資産を準備し終え、「老後のための貯金や投資」を気にしなくてよい状態を作ることが目標です。そのため、現在の収入をすべて今の生活に使えるようになり、将来のお金の不安がなく「いつでも仕事を辞められる」という精神的な余裕(心理的安全性)が得られるのが最大の特徴です。
実際いくら貯めればいいの?
FIREのスタイルについて説明しましたが、次はそれぞれのスタイルでいくら資産を築けばよいのかを解説します。具体例として以下に生活費の例として計算してみます。
毎月の支出:総務省統計局の「家計調査報告(2026年)」の、二人以上の世帯における毎月の平均消費支出から約29万円。
上記から年間支出を月額29万円(年間348万円)として各FIREスタイルでためる金額を算出します。
| スタイル | 月の生活費(支出) | リタイア後の労働収入 | 運用益で賄う金額 | 目標資産額 |
|---|---|---|---|---|
| ファットFIRE | 43.5万円 (平均の1.5倍) | なし(0円) | 45万円 | 1億3,050万円 |
| リーンFIRE | 17.4万円 (基礎生活費のみ) | なし(0円) | 17.4万円 | 5,220万円 |
| サイドFIRE | 29万円 (平均) | 14.5万円 | 14.5万円 | 4,350万円 |
| コーストFIRE | 29万円 (平均) | 29万円 | 0円 (老後まで手を付けない) | ※1 |
※1:現在35歳の人が、30年後(65歳)に3,000万円を用意したい場合、年利5%で運用できれば、現在約700万円を投資して放置しておくだけで複利によって目標額に達します。 したがって、早期にこの数百万円〜1,000万円程度の元本を作ってしまえば、あとは稼いだお金をすべて今の生活に使ってよいという状態になります。
上記の様に、完全に労働からリタイアするファットFIRE、リタイアFIREは目標資産額が大きくなりますが、完全にリタイアしないサイドFIREやコーストFIREでは目標資産額が低くなります。
FIREスタイルによって目標資産額について算出しましたが、個々人によって月々の生活費やリタイア後の労働収入と運用益の比率は自分自身にとってこれがいいなと思う比率が違うので、スタイルに縛られず自分ならこのぐらいがいいなを考えてみるとより現実感が増すと思います。
実際に筆者の目標とするFIREスタイルについて考えてみます。
筆者の目標FIREスタイル
筆者自身の目標スタイルとしては、リーンFIREとサイドFIREの中間の
日々の生活費は節約しながら、ある程度は労働で稼いでいく
そんなようなスタイルのFIREを目標としています。
そんな自分たちのスタイルの目標資産額は以下です。
| 月の生活費(支出) | リタイア後の労働収入 | 運用益で賄う金額 | 目標資産額 |
|---|---|---|---|
| 20万円 (月々の生活費+5万) | 10万円 | 10万円 | 3,000万円 |
月の生活費:趣味や旅行なども行きたいため生活費より少し多めに設定
リタイア後の労働収入:月々10万円を目標とし、資産を築けるまでは労働収入が多めになる想定
運用益で賄う金額:月々10万円であれば二人でストレスなく稼げると感じているため、10万円で計算
上記の様に自分自身にあったFIREスタイルを考えることで、自分自身の目標資産額を計算することができます。
目標資産額を算出できれば日々いくらためていけば、何年で目標の資産を築くことができるかを計算することができるため、FIREがより具体的な目標になります。
これを機会に、自分自身の目標とするFIREのスタイルと目標資産額を計算してみてはいかがでしょうか。
目標資産額の計算式については以下で計算してみてください。
※月々の生活費から算出する場合
